芋焼酎「金黒」を飲んだのでレビューします。
最近、スーパーの焼酎売り場でよく見かける商品で、「あれ、こんな焼酎前からあったのかな?」と不思議に思っていましたが、調べてみると2017年4月発売開始の比較的新しい焼酎でした。
そして、販売しているのは日本一のビールメーカー「アサヒビール」です。
これは焼酎業界にとっては黒船来襲じゃないでしょうか。
ビール会社の資金力、マーケティング力、販売力は半端じゃないですし、既存の焼酎酒造からすると脅威でしかないと思います。
ビール会社のスゴイところは、大衆の好みに徹底的に迎合する点です。
まず、どんなお酒が求められているのか、徹底的にリサーチしてから商品を開発します。
「いい酒を作ったら、自然と売れるだろう」
なんて、ギャンブルに等しい考えは持ちません。
万全を期して開発された商品は大量生産して、その販売力を生かして大量に販売します。そしたらコストダウンできます。
美味いし、安いし、そりゃ売れますよね。
前置きが長くなりましたが、そんな風に世に出された金黒が不味いわけがありません。
期待して飲みましたが、
その結果…
なるほど。焼酎ファンでこの焼酎を不味いと感じる人はいないでしょう。
芋焼酎界の頂点に立つ黒霧島の、次の王者になる可能性を秘めたお酒です。
続きは後ほど。
<概要>
金黒はニッカウヰスキーが製造してアサヒビールが販売している芋焼酎です(なお、ニッカウヰスキーはアサヒビールの子会社です)。
2年かけて3,000人規模の消費者リサーチをした結果、
「芋本来の香りとコクがありながらも、すっきりした後キレ」
のある芋焼酎が求められていることが分かり、それを目指して開発されたのが金黒です。
大規模な消費者リサーチをしてから商品開発をする手法はビールや缶チューハイでは当たり前なのかもしれませんが、焼酎業界ではあまり聞きません。 焼酎は職人が作る工芸品である、と考える人にとっては、マーケティングの手法は相容れないのかもしれませんね。
それはさておき、金黒の製法上の最大の特徴は独自の「芋とろ火焚き贅沢蒸溜」にあります。簡単に言うと、通常よりもゆっくり時間をかけて蒸留する製法だそうです。
コクとキレの両立は言葉でいうほど簡単ではなくて、この「芋とろ火焚き贅沢蒸溜」で実現可能になったそうです。
ではそろそろ、ビール会社が消費者の好みを徹底的にリサーチした芋焼酎をいただきましょうか。
<実際に飲んでみました>
まずはストレートで。
まず、芋の香りが思ったより強いです。
また、結構ビターで、コクがあり、どっしりした味わいです。
ただ、余韻は短く、確かに後キレは良いと思います。
確かに、「芋本来の香りとコクがありながらも、すっきりした後キレ」の焼酎ですね。看板に偽りなしです。
ただ、ちょっとストレートではキツイかもしれません。
次はロックで。
苦味が引いて、芋焼酎特有の良い香りが前に出てきました。これは美味し。
ストレートよりはロックがいいですね。
次は水割りで。
更に飲みやすいです。
ダラダラ飲みたい時や食事中などはよいでしょう。
最後はお湯割り。
香りも苦味もUPです。
悪くはないですが、ちょっと苦味が気になるので水割りやロックのほうが好みかも。
私もこれまで色んな芋焼酎を飲んできましたが、金黒はその中で飛び抜けた個性を感じる焼酎ではありません。
芋特有の香りなら、さつま白波の方が強いですし、後キレなら霧島の方が良いです。また、富乃宝山や魔王のような独特の風味もありません。
しかし、バランスですね。
消費者にリサーチした結果、焼酎ファンが求める最大公約数的な焼酎が出来上がったと思います。
欠点はほとんどないですね。万人受けすると思います。
そして、金黒は今後芋焼酎の中のスタンダードな商品に成り上がる可能性もあるでしょう。
実際、想定よりも売れているみたいですし、数年後には黒霧島より有名になっているかもしれません。
まあ、それは分かりませんが、少なくとも金黒は芋焼酎が好きな人なら買って損したと思うことはないでしょう。
まだ飲んだことがないなら是非飲んでみるべきお酒です。
<黒霧島との比較>
芋焼酎界の王者・黒霧島と飲み比べてみました。
芋の香りは金黒の方が強いです。
苦味も金黒の方が強く、これに比べると黒霧島は若干甘い風味がします(実際は甘くないです)。
後キレはどちらも良いですが、黒霧島の方がなお良しです。
端的に言うと、黒霧島の方がアッサリで飲みやすく、金黒はどっしりしていて飲みごたえがあります。
初心者には黒霧島が飲みやすいかもしれませんが、既に芋焼酎のファンであるなら金黒の方が受けるかもしれません。
個人的には甲乙付け難いですが、ロックにした時に香りの良さが印象的な金黒に軍配を上げましょうか。
金黒は今後、芋焼酎の新しいスタンダードになるかもしれない商品ですし、ファンなら飲み比べてみると面白いですよ。
<食事との相性>
鮎のなれ寿司と、焼きビーフンをツマミに飲んでみました。
鮎のなれ寿司は酸味と塩味が強いのでストレートで飲みました。
鮎のなれ寿司はそうとうパンチのある食べ物ですが、金黒も骨太な焼酎なので全然負けてません。後ギレも良いのでツマミの味を邪魔することもありません。
焼きビーフンは水割りで。
これも互いを邪魔することなく飲み食いできました。
金黒は概ねどんな料理にも合わせられるお酒だと思います。
<価格は?入手難度は?>
希望小売価格は220mlで240円、900mlで940円、1800mlで1,740円(税抜き)です。 実際はこれより値引きされて販売されている事が多く、私は近所のドンキホーテで900mlのを880円で購入しました。
芋焼酎としては並か、少し安めの商品で、大体黒霧島と同じぐらいの価格でもあります。
黒霧島ほどではありませんが、スーパーでもよく見かける商品であり、入手難度は易とします。
<どんな時に飲むお酒か?>
普段飲みのお酒ですが、まだ新しく知名度もそこまで高くないので、宅飲み会に用意すると珍しがられるかもしれません。
<金黒の特徴のまとめ>
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