日本一有名な麦焼酎「いいちこ」ですが、ノーマルないいちこ以外にも様々なラインナップがあります。
ノーマルいいちこと、それ以外の商品ではどこが違うのか、分からないという人も多いと思います。
その中でも主要商品と思われる6種類のいいちこを飲み比べました。
<今回用意した商品>
●(ノーマル)いいちこ
●いいちこシルエット
●いいちこパーソン
●いいちこ日田全麹
●いいちこスーパー
●いいちこフラスコ
●iichiko NEO(2021年追記)
※他にいいちこスペシャルという商品もありますが、あれは熟成酒なので系統が全く違うと考え、今回は比較対象にしていません。
なお、飲み方は特に記載がない限りストレートです(NEOのみ炭酸割りで評価)。
まずは、それぞれの評価を点数にして表にまとめてみました。
ノーマル | シルエット・パーソン | 日田全麹 | スーパー | フラスコ | NEO | |
風味 | 60点 | 65点 | 85点 | 90点 | 80点 | 70点 |
飲みやすさ | 70点 | 75点 | 75点 | 75点 | 70点 | 90点 |
コスパ | 80点 | 50点 | 90点 | 70点 | 40点 | 80点 |
おすすめ度 | 70点 | 60点 | 85点 | 80点 | 60点 | 75点 |
それぞれの概要と飲んでみた感想をまとめます。
ノーマルいいちこ
いわゆる普通のいいちこです。
昭和54年の発売以来、ロングセラー商品となっています。
その後、いいちこの上位商品が次々に発売されていますが、まだ主役はノーマルいいちこです。
他のいいちこ商品にくらべ、最も風味が薄く個性もないですが、それが逆に飲みやすさとなっており、毎日飲んでも飽きがきません。
<飲み比べると…>
ノーマルいいちこだけを飲むなら、美味しいお酒と思えるのですが、上位商品と一緒に飲み比べると、やはり粗が目立ちます。
香りが弱く、アルコールの刺々しさを感じます。
こちらに単独のレビュー記事を書いています。
いいちこシルエット・いいちこパーソン
いいちこシルエットといいちこパーソンは実は中身は同じです。瓶の形が違うだけです。
いいちこパーソンの瓶は洒落ていてウイスキーみたいです。これなら外出する時ポケットに入れて飲み歩きできますね(実際にやったことがあります)。
まあ、中身が同じなので、今回はいいちこシルエットを代表とします。
公式サイトのいいちこシルエットのページにはこう書かれています。
うまさをいっそう吟味したワンランク上の「いいちこ」です。お湯割り・水割りで豊かな香りと深みが楽しめます。
まさに自他共認める上位版いいちこ。期待大です。
<飲み比べると…>
ノーマルいいちこより香りが強く、アルコールの棘も弱いです。
さすがワンランク上と言うだけあります。
しかし、違いはそれほど大きくはなく、何度も飲み比べてやっとわかるぐらいです。
なお、ストレートだと違いは分かっても、水割りにするとほとんど分かりません。
いいちこ日田全麹
ノーマルいいちこやいいちこシルエットは米麹を使用していますが、いいちこ日田全麹は麹に麦麹を使用しています。
麦麹を使用することでより麦の風味の強い焼酎が出来上がります。
公式サイトのいいちこ日田全麹のページにはこう書かれています。
焼酎の深みは麹の質と量で決まります。
『いいちこ日田全麹』は麹のみを原料にする「全量大麦麹仕込み」による本格焼酎です。
良質な大麦からつくった大麦麹を使い、じっくり丹念に醸しました。
かぐわしい香り、深くやさしい旨み。
オン・ザ・ロックや水割り、寒い季節はお湯割りでお楽しみください。
とにかく、麦・麦・麦という感じですね。
<飲み比べると…>
これも、いいちこの上位商品で、いいちこの改善版かと思いきや、全然風味が違います。
(ノーマル)いいちこやいいちこシルエットとは全くの別商品です。
とにかく麦っぽい風味です。麦チョコみたいです。
アルコールの棘も少なく、飲みやすいです。
これは美味い!
個人的には(ノーマル)いいちこやいいちこシルエットよりおすすめです。
こちらに単独のレビュー記事を書いています。
いいちこスーパー
いいちこスーパーは以下の3種類の原酒をブレンドした商品です。
●爽やかな香りをひめた香りの原酒
●深い味わいのうまみの原酒
●長期熟成を経たスーパー原酒
公式サイトのいいちこスーパーのページにはこう書かれています。
さらに香り高く、さらに味わい深く。
じっくりと貯蔵熟成した原酒を使った、ロック・水割り・ストレートがさえる焼酎です。
紹介はおもったよりシンプルですね。逆に自信の現れでしょうか。
<飲み比べると…>
いいちこスーパーも他のいいちことは全然違う風味です。
麦焼酎特有のスッとする香りがかなり強いです。いいちこシルエットとは比べ物にならないぐらいです。
また、熟成酒が入っているせいか、バニラのような芳醇な風味もします。
かと思えば、香ばしい麦の風味もしますし、かなり複雑な味わいです。
それでいて棘が少なく飲みやすいです。
実はいいちこスーパーは自分の中では最も好きな焼酎で、これまで何度も買って飲んでます。
こちらに単独のレビュー記事を書いています。
いいちこフラスコ
いいちこフラスコは名前の通りフラスコ状の瓶に入ったいいちこですが、単に容器が奇抜なだけでなく、中身はいいちこシリーズの最高峰です。
公式サイトのいいちこフラスコのページにはこう書かれています。
澄んだ香り、ゆたかなコクと深み。
「いいちこ」の頂点に立つ麦焼酎です。高精白、低温発酵。そして、大麦麹だけを使った全麹造り。麹でつくる酒の、技のすべてを傾けました。
オン・ザ・ロックや水割り、寒い日はお湯割りで。その極められたうまさを、お楽しみください。
「いいちこの頂点に立つ麦焼酎」とのこと。
今回私は初めて飲むので期待が膨らみます。
<飲み比べると…>
いいちこスーパー同様、フラスコも香り高いです。
ただ、スーパーとは違い、いろんな原酒を混ぜいているわけではないので、風味はシンプルです。
いいちこシルエットを更に洗練させたお酒に感じました。
ノーマルいいちこのワンランク上の商品がいいちこシルエットならツーランク上の商品がいいちこフラスコと言えます。
(いいちこ日田全麹といいちこスーパーはこれとは別系統のぜんぜん風味の違う焼酎です。)
なお、いいちこフラスコはアルコール度数が30度なので、ストレートで飲むにはキツいです。
水割りでも飲んでみましたが、水割りだとノーマルやシルエットと更に似た風味(薄まるので当然ですが)になります。
iichiko NEO(2021年追記)
2020年に発売開始された、いいちこのニューフェイスです。
どうです?他のいいちこのボトルとは全くことなり、女性や若者をターゲットにしているのが丸わかりです。実際に若い世代や焼酎を飲み慣れてない人向けの商品です。
公式サイトのiichikoNEOのページにはこう書かれています。
『iichiko NEO(いいちこネオ)』は、ハイボールのための本格焼酎です。これまで「いいちこ」を飲む機会が少なかった「若い世代の方」や「焼酎初心者の方」にも楽しんでいただきたい、という想いから開発に至りました。 新しい酵母による製法により、華やかな香りや青りんご・パイン・バナナを思わせるフルーティーな香りが楽しめます。また、パッケージもこれまでの「いいちこ」とは異なり、爽やかでカラフルなフラワーデザインを施しました。
明らかな新機軸。いいちこのみならず麦焼酎の未来がかかっています。応援したくなりますね。
<飲み比べると…>
いいちこにくらべると、香りがどことなくフルーティーで華やかです。味わいはクリア。良く言えば飲みやすいです。
確かに焼酎初心者には受け入れやすい風味だと思います。
飲みごたえ、という点ではいいちこの方が上かもしれませんが、香りはNEOが上。美味いです。
コスパ比較
それぞれの価格を比較してみました。
価格は公式サイトの小売希望価格(税込み)です。
最も容量の大きいサイズの価格を使用します。
●ノーマルいいちこ紙パック(1800ml)
希望小売価格:1,833円(1.0円/ml)
●いいちこシルエット(720ml)
希望小売価格:1,121円(1.6円/ml)
●いいちこパーソン(300ml)
希望小売価格:484円(1.6円/ml)
●いいちこ日田全麹(1800ml)
希望小売価格:1,862円(1.0円/ml)
●いいちこスーパー(720ml)
希望小売価格:1,460円(2.0円/ml)
●いいちこフラスコ(720ml)
希望小売価格:2,777円(3.9円/ml)
●iichiko NEO(500ml)
希望小売価格:766円(1.5円/ml)
最も安いのはやはりノーマルいいちこでした。
この品質で1,833円ならコスパ良好だと思いますし、だからこそ日本一売れているわけです。
そして意外だったのがいいちこ日田全麹がノーマルいいちことそれほど価格が変わらないことです。
個人的な好みもあるかもしれませんが、風味や飲みやすさは断然いいちこ日田全麹の方が優れています。
なので、価格が同程度ならコスパは断然こちらが上です。
いいちこシルエット・パーソンはノーマルの1.6倍の価格ですが、風味の違いがそこまであるのかというと…、微妙です。
いいちこスーパーはノーマルの2倍の価格ですが、その価値はあると思います。
高いのでがぶ飲みは出来ませんが、ちょっといいときに飲むお酒ということで愛飲しています。
いいちこフラスコも素晴らしいお酒でしたが、コスパを考えると微妙です。
スーパーの2倍のお金を払ってまで飲みたいかというと…。
個人的にはスーパーの方が好きなので、今後フラスコを購入することはないと思います。
でも、フラスコ瓶はとても洒落ているので、ギフトには良いと思います。
まとめ
今回いいちこシリーズを飲み比べましたが、個人的にいいな、と思うのが「いいちこ日田全麹」と「いいちこスーパー」です。
いいちこ日田全麹は価格的にはノーマルとあまり変わらないですが、風味は数段上です。これを飲んだらノーマルには戻れません。
いいちこスーパーは、ちょっと高いので普段飲みというわけには行きませんが、ちょっといい時にちびちび飲みたいお酒です。
でも、この風味は何も知らなければ1万円と言われても納得するかもしれません。個性際立つ深いお酒です。
ノーマルとシルエット(パーソン)・フラスコは系統が似てます。
シルエットはノーマルのワンランク上、フラスコはツーランク上ですが、特に水割りにすると区別が付きにくいです。
そういう意味ではオススメできるか微妙です。
iichiko NEOは焼酎初心者がターゲットで他のいいちこと一概に比較するのは難しいですが、狙いはあたっていると思います。飲みやすいし、香りの華やかで、万人受けすると思います。値段もそれほど高くないのも高評価です。
ただし、以上は全て私の主観的評価なので、人によってはまた別の評価があると思います。
いいちこシリーズは全体的に価格が安いですし、小さいサイズもあるので、自分で比較することも難しくありません。
焼酎が好きな人はやってみてはどうでしょうか?
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