おすすめ日本酒・焼酎を一人語りするブログ

酒好きアラフォーのおっさんが肝臓を犠牲にして書いてるリアルなレビューサイトです。

日本酒おすすめ(安い酒・初心者向け・プレゼント・)14選!

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私が実際に飲んで美味いと思った日本酒をランキングで紹介します

当ブログではこれまで多くの日本酒をレビューしてきましたが、そろそろその中で順番をつけようと思います。

単に味だけで評価すると、上位に来るのはすべて高級酒になってしまいます。
しかし、私は貧乏酒飲みであり、毎日気兼ねなく飲める安酒にも愛着があるので、安酒は安酒で評価したいと思います。

安酒と高級酒の区分は一般にはっきり決まっているわけではありませんが、感覚的に1升(1800ml)で2000円以下を安酒、それ以上を高級酒と考えています(720mlなら1000円が基準)。

なお、味覚は個人差が大きく、好みも人それぞれです。

ここで紹介するお酒も私の好みが大いに反映されているため、参考までに私が評価するポイントをまとめておきます。
●素人でも分かるぐらい風味がはっきりしている
●香り華やかなフルーティー
●雑味の少ない
●甘すぎない

こんな趣味ブログを書いている私ですが、私は自分はマニアックでも通でもないと思っています。
なので、日本酒の好みは、それほど日本酒に詳しくない人に近いと思います。

だからこそ、ランキング上位に紹介するお酒は、一般受けする可能性が高く、人におすすめしたり、高級酒ならギフトにするのにも向いていると思います。

ランキングですが、これまで飲んだ数十種類全てに順位をつけることも出来なくはないですが、ランキング31位とかで紹介しても誰も興味がないと思うので、上位5つに絞って紹介します。

おすすめ日本酒安酒部門

1位:菊正宗しぼりたてギンパック

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このお酒は大吟醸ではなく普通酒なのですが、半端な大吟醸のお酒より美味いです。
私の紙パックのお酒の印象(安くて味はそこそこ)を覆した衝撃の商品でした。

特に良い原材料を使用しているようでもなく、精米歩合も特徴があるわけではありません。
しかし、独自開発の新酵母と、生貯蔵(通常2回行われる加熱処理を1回しかしない)という工夫が大成功しています。

香りはリンゴのようにフルーティー。生貯蔵酒なので味わいもフレッシュ&ジューシーです。

価格は公式サイトによれば900mlで748円、1800mlで1,480円(税抜)ですが、実際はもっと安売りされています。

スーパーや量販店で普通に売っているので入手は簡単です。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★★★
入手のしやすさ:★★★★

2位:玉乃光純米吟醸酒魂

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希望小売価格は720ml瓶でギリギリ千円を超える程度ですが、実際はスーパーで千円を割る価格で販売されていることがほとんどであることから、安酒部門にランクインさせました。
値段は安めですが、美味さはこれより値段の高い日本酒にも負けていません。

このお酒の特徴は酸味です。リンゴ系の吟醸香と相まって、リンゴジュースみたいな味わいになっています。

温めると酸味が引いて、米の旨みが前に出るようになります。温度によって味が全く変わるのも面白い特徴です。

香りはやや強いですが、獺祭と違って食事の味を邪魔するほどではありません。

なお、玉乃光には上位商品である純米大吟醸もあって、こちらは純米吟醸に比べると軽やかな飲みごたえです。
しかし、個人的には純米吟醸の方が好きなのでこちらをランクインさせました。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★★★
入手のしやすさ:★★★★★

3位:大吟醸北秋田

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最近流行の激安大吟醸の筆頭格。
値段は安くても瓶入りなので安っぽさは感じません。
精米歩合は50%と堂々の大吟醸です。
価格は720mlで985円(税抜き)ですが、実際はそれより安売りされています。瓶入り大吟醸がこの値段とは嘘みたいです。

激安大吟醸の中には、ほとんど吟醸香が感じられないダメダメなお酒もありますが、大吟醸北秋田はちゃんと大吟醸らしい香りがして「本物」であることは一口で分かるはずです。
味わいは結構甘め、個人的にはもうちょっと辛口の方が好みですが、嫌な甘さではなく、さっぱりしていて飲みやすいです。

スーパーや量販店のリカーコーナではかなりの確率で見つかるはずです。きっと売れているのでしょうが、この価格と味ならそれも納得です。

香りの強さ:★★★
味わいの濃さ:★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★★★
入手のしやすさ:★★★★

4位:八海山(普通酒)

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八海山は地酒の重鎮的銘柄の一つであり、格調高いこのお酒を安酒と言ってしまうのは申し訳ないのですが、八海山の普通酒は720mlで930円、1800mlで1,950円(税抜き)とギリギリ安酒(個人的な基準ですが)に入ります。

普通酒と言っても精米歩合は60%と、実質吟醸酒で、それがこのお値段とはコスパはかなり良好です。

実は八海山は個人的にはちょっと好みから外れたお酒です。
吟醸酒クラスのお酒ですが、吟醸香はあまりありませんし、私の好きなフルーティーなお酒とは言えません。
典型的な日本酒の香りだけがしますが、それも強くはありません。

味わいは冷やして飲むとほんのり甘く、それ以外の雑味は感じないシャープな印象。ただし、温めるとコクが出て、飲みごたえも生まれます。

八海山って、同じ新潟のお酒である越乃寒梅もそうなのですが、「寡黙」なんですよね。
何も考えず飲むと、さらっと飲めてしまうので、あまり印象に残りません。

しかし、こちらから美味さを感じ取ろうと集中して飲むと、その美味さが分かります。
そういう意味で八海山は少し難しいお酒だと思います。
もし、八海山の美味しさを十分に感じることが出来たなら、その人はもう日本酒初心者は卒業ですね。

以上のように八海山はフルーティーではなく、寡黙で分かりにくいお酒です。私の好みからは外れますが、それでも、この値段でこれほど上質な日本酒はあまりないので、ランキングに入れました。

八海山は地酒系日本酒としては比較的おいている店は多いですが、普通のスーパーだとあまりおいてないです。

香りの強さ:★★
味わいの濃さ:★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★★

5位:沢の鶴米だけの酒

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日本一売れている純米酒。昔は純米酒の定義に当てはまらなかったが、2004年に定義が変わったので、それ以来純米酒と名乗れるようになりました。
安いですが、個人的には高級な純米酒にも味わいは負けてないと思います。
純米酒ですが、純米酒らしい重さはあまり感じず、むしろ軽快で飲みやすいです。
冷やしても美味いですが、どちらかと言えば温めて飲んだ方が旨みと酸味が出て美味いです。

希望小売価格は180mlで152円、900mlで729円、1800mlで1,430円(税抜き)となっています。しかし、スーパーではそれより安売りされていることがほとんどです。

香りの強さ:★★★
味わいの濃さ:★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★★★★

6位:キクマサピン

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菊正宗の代表的商品です。特に、180mlの紙パックはワンカップ大関などと並んで、飲兵衛御用達の商品です。
味わいは意外に濃厚。ワンカップ大関より美味い。

価格は180mlで150円、500mlで421円、900mlで748円です(メーカー公式サイトによる)。しかし、実際はそれより2割程度安売りされていることがほとんどです。

安いので過度に期待はできませんが、値段を考えると十分コスパの良い商品と言えます。

香りの強さ:★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★
コスパ:★★★
入手のしやすさ:★★★★★

7位:元禄美人

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これ、美味いから選んだわけではないです。というか、合成清酒なので正確には日本酒ですらないし。
合成清酒というネーミングはいかにもパチもんぽくて不味そうですが、意外に不味くはないです。薄味ですが日本酒そっくりな味わいです。おそらく、日本酒と合成清酒を味だけで判別出来る人はほとんどいないはずです。それぐらい、日本酒の模造品としては良く出来ています。
そして何より安い。
1800mlで5百円代です。誰がなんと言おうと、この安さだけは評価できます。

調べてみると、意外に合成清酒は根強い人気があって、日本酒の生産量が減少する中、合成清酒の生産量はあまり減っていません。

しかし、高級化志向がすすむ日本酒市場で、この先安いだけが売りの合成清酒が生き残る可能性があるとは思えません。
いずれはなくなる運命だと思うので、歴史の遺物となる前にまだ飲んだことのない人は今のうちに飲んでおいた方がいいかもしれません。
ということで、選んでみました。

香りの強さ:★
味わいの濃さ:★
飲みやすさ:★★★★★
わかりやすさ:★(そもそも美味くはない)
コスパ:★★★★★(味のコスパではなく酔っ払うコスパ)
入手のしやすさ:★★★★

おすすめ日本酒高級酒部門

1位:獺祭シリーズ

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獺祭と言ってもスタンダードである「獺祭純米大吟醸50」から4合瓶で3万円以上する「獺祭磨きその先へ」まで、そのラインナップは十数種類存在します。
私はそのうち13種類を購入して飲んだことがありますが、すべておすすめです。

獺祭シリーズすべてに共通する特徴は以下の通りです。
●吟醸香が極めて強い、分かりやすいお酒。
●やや甘めで、雑味が少なく飲みやすい。
●品質を考えると安い

こんなにも派手で分かりやすい日本酒は他にないと思います。
さらに、大量生産や卸を挟まない販売体制などのおかげで、美味しさの割には安い値段設定となっています。

ここでは、私が実際に飲んだことのある13種類のうちのいくつかを簡単に紹介します。

獺祭純米大吟醸50

精米歩合50%。最もスタンダードな商品。最も安い(1升3千円ちょっと)。香り高いが味わいもしっかり。他の獺祭に比べるとちょっと重い。獺祭を飲んだことがないなら、まずこの獺祭50から飲むべし。

獺祭磨き三割九分

精米歩合39%。価格は1升で5千円程度。獺祭50に比べると味わいは軽やか。個人的に、贈答用に何度か買ったことがある。

獺祭磨きニ割三分

精米歩合23%。発売当時は日本で最も精米歩合の低いお酒だった。価格は1升で1万円程度。ものすごく軽いお酒。軽すぎて飲みごたえはないかもしれない。

獺祭磨き三割九分遠心分離

精米歩合39%。遠心分離機を使って加圧せずにもろみを搾って取り出したお酒。価格は1升で7千5百円程度。一口含めば、口の中で香りの暴風が吹き荒れる。獺祭シリーズの中でも特に個性の強いお酒。お金に余裕があれば一度飲んでみてほしい逸品。

ちょっと持ち上げすぎた感もあるので、獺祭の短所も書いておきます。

●香りが強すぎるので、繊細な味わいの料理には合わない
●基本的に獺祭特約店でしか売ってなくて、普通のスーパーやリカーショップでは売ってない。
●人気すぎてプレミア価格が付くことがある
●知名度が高すぎて、日本酒好きの人からはベタなお酒だと思われている?

まあ、短所と言っても長所に比べると些細なことばかりだと思います。

獺祭純米大吟醸50の評価
香りの強さ:★★★★★
味わいの濃さ:★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★

2位:紀土(きっど)純米大吟醸

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山田錦使用、精米歩合50%、9号酵母使用と、獺祭純米大吟醸50とスペックがそっくりなお酒。
洋梨のような香りで、ほのかに甘いのも同じ。

香りは獺祭のほうが強いですが、紀土の方が味わいが軽く、キレも良いです。
食中酒としてなら獺祭より紀土のほうが優秀だと思います。

価格は720mlで1,512円、1800mlで3,024円です(税込み)とこれも獺祭とほとんど同じです。

絶対に獺祭を意識して作っているお酒。
でも良く出来ています。

獺祭が好きな人なら絶対に気に入るお酒でしょう。

入手は獺祭よりは簡単だと思いますが、地酒を多く取り扱っている酒屋でしか見つからないと思います。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★
飲みやすさ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★★

3位:福寿純米吟醸

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口当たりは軽やか、桃のようにジューシーでフルティーな風味のお酒。個人的な好みにストライクでした。
純米吟醸ですが、美味さは大吟醸クラス、自信を持っておすすめできるお酒です。

なお、福寿純米吟醸は2008年以降ノーベル賞の晩餐会などで出されるお酒だそうですが、リカーショップならいつでも購入できるので、受賞とはほど遠い私達でも安心して飲めます(笑)。

価格は720mlで1,620円、1800mlで3,240円(税込み)です。
入手は難しくはないですが、スーパーではなくリカーショップへ行ったほうがいいでしょう。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★
入手のしやすさ:★★★

4位:越乃寒梅純米吟醸 灑(さい)

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超有名な地酒系日本酒ブランド、越乃寒梅シリーズ45年ぶりの最新作です。
かなりの自信を持って世に送り出されたはずのお酒ですが、出来はやはり素晴らしいです。

越乃寒梅って、同じ新潟県のお酒である八海山や久保田もそうですが、ちょっと美味しさが分かりにくいお酒です。

若い人で越乃寒梅を愛飲しているという人に会ったことがありません。やはり日本酒通好みのお酒だからだと思います。

そのような状況に危機感を覚えたのか、日本酒初心者向けに開発されたのが越乃寒梅灑です。

純米酒にありがちな重さはなく、ライトな飲みごたえです。

吟醸香こそほとんど感じませんが、綿菓子のようなふわふわした甘さはクセになります。

分かる人だけ分かる越乃寒梅でしたが、かなり初心者にすり寄ったお酒です。

希望小売価格は720mlで1,500円、1800mlで3,000円です(税抜き)。

越乃寒梅は獺祭と同じく基本特約店でしか入手できません。
なお、有名百貨店のお酒コーナーなどは特約店であることが多く、越乃寒梅や獺祭を購入するときに重宝します。

香りの強さ:★★
味わいの濃さ:★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★
入手のしやすさ:★★

5位:上善如水

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スーパー・コンビニでも販売されているので知っている人も多いはずであろう日本酒。
水の如しというからには、すごくあっさりした味わいをイメージしますが、実際には米の味は意外にしっかりしており飲みごたえがあります。
しかし、飲みやすいのは確かで、キレもいいです。

吟醸酒なので香りもいいです。日本酒度は+5の辛口のお酒に分類されるはずですが、実際に飲んでみると甘く感じます。
これといった欠点もなく、万人におすすめできる日本酒です。

香りの強さ:★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★
わかりやすさ:★★★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★★★★

プレミア価格が付いている超高い日本酒は美味いのか?

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高い酒ほど美味い、というのは傾向としては正しいと思います。
じゃあ、超高いお酒は超美味いのか、と言われると、そうとも言い切れないなと思います。

といっても、私が飲んだことがある超高い日本酒は1種類のみ。

「十四代本丸秘伝玉返し角新」というネットで買えば1升瓶で3万円ぐらいするお酒ですが、日本酒飲み放題の店でおちょこ1杯だけ飲みました。

一緒に一度飲めるかどうかの貴重なお酒なので、本当に舐めるように飲みました。

味わいは淡く、繊細。あまりにクリアなので水と見紛うかのよう。

香りはマスカット系。フルーティーですが、派手さはありません。

美味いのは間違いないですが、「うーん、こんなものか…」と正直、ちょっと肩すかしを食らった感じもありました。

あくまで私の好みの範囲内の話ですが、これなら1升瓶で3千円の獺祭純米吟醸50の方が美味いかな、と感じました。少なくとも3万円はないな、と思います。
(この値段は生産者である高木酒造が決めているのではなく、人気すぎてネットショップでの値段がつり上がっているだけであり、値段に見合わぬ味と言うのは生産者にとって失礼な話だとは思っていますが…)

なお、十四代本丸秘伝玉返し角新のレビューページに、こんな価格じゃ誰も買わんだろうと思いつつ、アマゾンの広告を貼り付けているのですが、実は一回だけ購入した人がいます。
世の中、リッチな人はいるものだと驚嘆しました。

十四代は日本酒好きの間では幻の高級酒として有名なので、もしギフトとして送ったら相手は感謝を通り越してビビると思います。
もし、相手が仕事関係の人なら賄賂と受け取られても仕方ないぐらいヤバいお酒です(笑)。

甘口の日本酒のおすすめは?

この数十年、日本酒は辛口タイプの商品が主流ですが、中には甘口の方が好きという人も一定数います。

甘口の日本酒にも2種類あって、「剣菱」のような通常の日本酒の範囲内での甘口と、「澪」のような主に女性をターゲットとした缶チューハイ並に甘いニュータイプの日本酒があります。

ここでは私が美味いと思った甘口のお酒を、両タイプそれぞれ1つずつ紹介します。

…と、その前に一つ。
日本酒の甘口・辛口の物差しとして、「日本酒度」という数値があります。

概ね、日本酒度が0より小さいと甘口、+5より大きいと辛口とされています。その間は中口です。
しかし、現在の日本酒全体の平均は+4程度と言われており、そう考えると+4を基準に甘口辛口を分けてもいいのかもしれません。

ただ、私は-90から+20までの日本酒を飲みましたが、+5ぐらいの日本酒も甘く感じます。+20の酒はさすがに甘くなかったですが、辛いというなら焼酎の方が遙かに辛いです。
参考までに私が飲んだ幾つかのお酒の日本酒度をまとめます。

+20:雪の松島
+6:越乃寒梅白ラベル
+5:獺祭純米大吟醸50、上善如水
+1:上撰白鶴、白鶴まる
±0:剣菱
-6:日本盛りあまくち
-25:白川郷純米にごり酒
-70:澪
-90から-70:すず音

獺祭純米大吟醸50や上善如水は+5なので日本酒度的には辛口ですが個人的には甘く感じます。でも、甘い辛いの感じ方は個人差が大きいでしょうし、これでも辛いと感じる人もいるのかもしれません。

そこで、おすすめの甘口日本酒は一般向けとして一応日本酒度が0以下のお酒にしようと思います。
ちょっと説明が長かったですね。では行きます。

黒松剣菱

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500年以上続く、日本酒界の大ブランドです。あの赤穂浪士が討ち入り前に飲んだ酒も剣菱だったとか。

そんな歴史ある剣菱ですが、現在では値段順に、
●上撰剣菱
●黒松剣菱
●極上黒松剣菱
●瑞穂黒松剣菱
●瑞祥黒松剣菱
の5種類のラインナップがあります。
このうち、上撰剣菱と黒松剣菱はスーパーなどでもよく見かけるので入手しやすいと思います。
実際に飲んだのはこの二つだけですが、黒松剣菱のほうがすっきりして飲みやすいのでこちらをおすすめします(上撰剣菱は濃すぎてクドイ…)。

黒松剣菱の日本酒度は±0付近と言われており、甘口の日本酒と言えます。
しかし、甘味だけでなく、酸味、香ばしさ、ドライフルーツの様な芳香など、様々な風味がします。一言でいえば芳醇。かなり味わいの濃い飲みごたえのあるお酒です。

酒は剣菱しか飲まない、というコアなファンもいる一方で、この独特の個性が受け入れられない人もいます。
個人的には面白いお酒だと思いますし、たまに飲みたくなるお酒とも言えます。
もし、黒松剣菱でも飲みごたえが足りないと感じたら、上撰剣菱を試してみてください。

価格は900mlで約1200円、1800mlで2千円ちょっとで販売されています。
価格も手ごろで入手の簡単なので甘口のお酒が好きなら是非飲んでみてください。

なお、黒松剣菱はありふれたお酒なので、ギフトとして贈るなら極上黒松剣菱など上位のお酒を選んだほうがいいかもしれません。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★★★★
飲みやすさ:★★★
わかりやすさ:★★★
コスパ:★★★★
入手のしやすさ:★★★★

すず音

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主に女性をターゲットとした甘口で低アルコールの炭酸日本酒です。
同タイプの商品として「澪」「淡雪スパークリング」などがありますが、値段は高いものの味なら「すず音」がダントツです。

日本酒度は-90から-70と、従来の日本酒を超越していますが、飲んでみると缶チューハイレベルか、それよりあっさりしているぐらいです。甘すぎて飲めない、という人はいないと思います。

味わいは、これ本当に米からできた飲み物なの!?と驚くと思います。

ジューシーなりんごのような甘さとみずみずしさ。
細かい炭酸のなめらかな口当たりと爽やかさ。
上質な缶チューハイという感じで本当に美味いです。
果汁や炭酸、糖類・甘味料は無添加です。米だけでこの味わいを出しているなんて魔法みたいです。

価格は300mlで741円(税別)です。
日本酒としてはちょっと高いですが、飲む価値は十分にあります。

入手ですが、大きめのスーパーやリカーショップなら売っていると思います。

香りの強さ:★★★★
味わいの濃さ:★★★★
飲みやすさ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★★
コスパ:★★★
入手のしやすさ:★★★

プレゼント用のおすすめ日本酒は?

ランキングで紹介した日本酒は美味しい酒ばかりですが、それがそのままプレゼントに適した日本酒ランキングとはなりません。
プレゼントとして贈る場合、美味しさも大切ですが、価格や見栄えも考慮する必要があります。

どれぐらいの価格の日本酒を選べばいいか?

プレゼントとして一体どれぐらいの価格の日本酒を買えばいいのか?は私も少し迷いますが、個人的にはいつも3千円程度の予算で考えています。

お歳暮も大体3千円から5千円程度が相場と言われているので、日本酒を贈る場合も大体それぐらいでいいかと。

3千円から5千円程度の予算だと、1升瓶の大吟醸か、4合瓶の大吟醸2本、4合瓶の特に高級な大吟醸1本に相当します。

私は父の日なんかによく「獺祭三割九分」(税込みで2700円ほど)を酒屋で購入し、ラッピングしてもらってプレゼントしています。

ワンランク下で獺祭のスタンダードでもある「獺祭純米大吟醸50」の1升瓶も3千円ちょっとなので、贈り物に使えますが、メジャー過ぎてちょっとベタな印象です。
それが、獺祭三割九分だと特別感も出るのでこちらの方がギフトに相応しいと思っています。

プレゼントには見栄えも大切

酒屋で購入すると有料でプレゼント用のラッピングをしてくれるので、直に相手に手渡す場合はそれでもよいでしょう。
しかし、郵送する場合や通販で購入する場合だと、自分でラッピングするよりは、見栄えの良い木箱入りの商品をおすすめします。
値段は割高ですが、高級感はワンランクアップします。

肝心の銘柄選択は気にしなくていい?

最も悩むのは銘柄の選択かもしれませんが、相手が日本酒好きと分かっているなら、実はどれを選んでも喜んでもらえる可能性が高いです。
酒好きならば、その人なりの好みはあるかもしれませんが、そうじゃない酒をもらってもそれはそれで酒なら嬉しいものです。
もらっておいて「この酒は俺の好みじゃない」と文句を垂れる人は酒飲みとしては大変野暮です。
しかし、いくら文句を言っても飲むには飲むはずです。酒飲みならば。

それでも銘柄選択に不安があるなら、セット商品を送れば数うちゃ当たるで、喜ばれる可能性は高くなるでしょう。

実際、アマゾンの日本酒売り上げの上位にはセット商品が多いのでそう考えている人も多いのでしょう。

アマゾンの日本酒売り上げ1位は「獺祭純米大吟醸50」の1升瓶ですが、2位は「人気新潟 金賞受賞酒蔵 飲み比べセット300ml×5本」です。5本も入っていれば1本ぐらいは気に入ってもらえるでしょう。プレゼント用としては大変無難で手堅い商品だと思います。

初めて日本酒を飲むような日本酒初心者向けのお酒のおすすめは?

もし、私に年若い友人がいたとして、その人に「今まで日本酒を飲んだことないけど、飲んでみたいからおすすめの日本酒を教えて?」と言われたら、私ならこう答えます。

「まずは、獺祭純米大吟醸50から試してみたら?」

理由は5つあります。

●フルーティーで少し甘いので万人向け
獺祭は洋梨のような芳香があって、少し甘みもあります。ジュースや缶チューハイなんかもそうですが、フルーティーで甘い飲み物が嫌いという人はあまりいません。そういう意味で、獺祭のようなフルーティーなお酒は万人向けといえます。

●素人でも味が分かりやすい。
獺祭の風味は他の日本酒に比べて強烈なので、素人の舌でも十分に分かるはずです。
越乃寒梅あたりだと、香りも味わいも繊細なので、分かる人にしか分からないと思います。

●飲みやすい
コレに関しては獺祭というよりは、大吟醸だからです。大吟醸は雑味が少なく、口や喉に引っかかることなくスッと飲めます。
また、大吟醸は冷やして飲むのが定番ですが、日本酒は高温より低温の方が飲みやすい傾向にあります。

●コスパが良い
獺祭純米大吟醸50の価格は一升瓶(1800ml)で3千円ちょっとです。
この価格は日本酒全体の中ではやや高い部類に入ります。
しかし、これは断言しますが、この品質でこの価格は安いです。
獺祭より値段が高い日本酒は数多いですが、獺祭と同等かそれ以上の味わいの日本酒は少ないです。

●とにかくメジャー。アマゾン日本酒売り上げランキンで不動の1位。
今、一番人気がある日本酒が獺祭だと思われます。獺祭純米大吟醸50はここ数年アマゾン日本酒売り上げランキンで不動の1位となっています。
人気があるから初心者向けという訳ではありませんが、初めて飲むなら多くの人がいいと思っている日本酒から試してみるのも無難な選択と言えるでしょう。

ただし、獺祭は基本的に特約店でしか販売していないので、普通のスーパーや酒屋にはない場合がほとんどです。通販で購入するか、あるいは百貨店の地下の酒屋(特約店の可能性が高い)に行ってみましょう。