上撰月桂冠を飲んだのでレビューします。
月桂冠。 日本酒愛好家として当然名前は知っていますが、これまで飲んだ記憶がありません。。。 白鶴もそうですが、大手酒造メーカーの普通酒なんて酔っ払うためだけに飲む酒でしょ、という意識がありました。
しかし、飲まずして侮るのも愛好家としては名折れです。
とりあえず、1回飲めばいいでしょ?
そんな感じで一番小さい210mlの商品を買って飲んでみました。 そしたら結構…。
続きは後ほど。
<概要>
上撰月桂冠は京都伏見の月桂冠が製造している日本酒です。
月桂冠は京都伏見を代表する大手酒造メーカーであり、非常に多くの商品を出しています。
月桂冠ブランドだけでも「月桂冠 月」「月桂冠 糖質ゼロ」「月桂冠 辛口」など多くの商品が存在します。
その中でも「上撰 月桂冠」は月桂冠の中でもレギュラークラスの商品と位置づけられています。
公式サイトによれば甘辛度は中口、濃淡は普通、飲み方も5℃から55℃までOKとのこと。 個性はなくとも、万人受けするお酒のように感じます。良い意味で大衆酒ですね。
公式サイトによれば酒造メーカーとしての月桂冠(の前身)は1637年の創業で、月桂冠というお酒が誕生したのは1905年ということです。 非常に歴史と伝統あるお酒ですね。
月桂冠の元々の意味は、古代ヨーロッパで神木とされた月桂樹を編んで作った冠のことです。 勝利と栄光のシンボルとしてスポーツ大会の勝者に被せられるシーンは現在でも時折見かけます。
そういう背景から考えると、月桂冠という酒名は日本的ではなく、誕生当時はハイカラな銘柄と注目を浴びたそうです。
現在でも、よく考えれば酒名は土地の名前、その地方の名物、創業者や蔵の代表の名字・名前などが多いですし、月桂冠という酒名は変わっているかもしれません。
<実際に飲んでみました>
まずは常温で。 口当たりは柔らかです。 味ですが、甘くて旨味が強いです。 しばらくして、日本酒特有の米の香りが追いかけてきます。 とはいえ、それほど強い香りではなく、余韻も長くないです。
予想通り、特筆すべき個性のあるお酒ではありませんが、不味くはないです。 飲みやすいですし、万人受けするんだろうな~、と思います。
次に冷やして。 元々スッキリしたお酒ですが、更にスッキリです。 悪くないですが、ここまでスッキリすると物足りないですね。 暑い日ならいいかもしれません。
最後にレンジで温めて。 甘み、旨味、香りがすべてパワーアップします。 個人的には一番よい飲み方だと思います。
上撰月桂冠には大して美味いと思わなくても、なぜかグイグイ飲んでしまう謎の魅力があります。
スッキリして飲みやすいこともありますが、もしかすると旨味が強いからかもしれません。吟醸酒や純米酒のような高級酒では、こんなに旨味の強いお酒はあまりありません。 日本人的にはこの旨味がハマるというか、癖になるというか、つい飲んでしまう原因になるような気がします。
なお、ライバルの上撰白鶴も似たような味で似たような感想を持ちました。 大衆酒ってみんなこうなのかもしれませんね。
<料理との相性は?>
マグロの刺身を肴に飲んでみました。 月桂冠のような大衆酒に似合うのはトロでもなく本マグロではなく、閉店間際のスーパーで安売りされている庶民の味方キハダマグロの赤身のはず!
売れ残りのマグロだったので少々生臭さがありましたが、月桂冠がいい感じに臭さを和らげてくれました。
また、マグロと月桂冠には旨味という共通項があるので、なんとなしに相性がよい組み合わせじゃないかと感じました。
今回はマグロの刺し身だけですが、他の料理にも、特に和食なら何でも合うんじゃないかと思います。
<月桂冠月との比較>
上撰月桂冠の下の価格帯の商品が「月桂冠月」です。
飲み比べてみると、味の方向性は似てますが、月の方は極めて薄味です。 月はサッパリを通り越して、少しお酒の風味のする水、みたいです。 良く言えば飲みやすいですが、日本酒として風味を評価するなら上撰月桂冠の方が絶対に上です。
とはいえ、上撰月桂冠の方が2割ほど高いので、本来は同じ土俵で勝負すべきではない商品ですね。
<価格は?入手難度は?>
上撰月桂冠には様々な規格が存在しますが、例えば210ml瓶が218円、1.8L瓶が1,868円、2.0Lパックが1,853円です(税抜き、メーカー希望小売価格)。 ライバルの上撰白鶴とほぼ同じ価格です。
ただ、実際はスーパーでは安売りされているのでもっと安く買えるはずです。
上撰月桂冠は安酒ですが、月桂冠月などさらに安い日本酒もあるので、普通酒の中ではミドルクラスの商品だと思われます。
スーパーのお酒コーナーの常連商品であり、入手は簡単です。
<どんな時に飲むお酒か?>
普段飲みのお酒です。 食中酒として飲むも良し、酒だけで飲むも良し、みんなとワイワイ飲むのも良し、一人でじっくり飲むのも良し。 気取った場面以外では、どんな時でも使えるお酒だと思います。 それもまた大衆酒の良いところですね。
ただ、酔っ払うだけに飲むなら、ワンランク下の月桂冠月の方が安いのでいいでしょう。
<上撰月桂冠の特徴のまとめ>
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