越乃寒梅 灑(さい)を飲んだのでレビューします。
最近、越乃寒梅白ラベル(普通酒)を飲んで、控えめながらも芯のある味わいに唸らされました。
それで、越乃寒梅に興味が出てきたので、他の商品も飲んでみようと思って、越乃寒梅を取り扱っている酒屋に行ってきました。
越乃寒梅特撰などもありましたが、ひときわ目を引いたのがブルーボトルの越乃寒梅 灑でした。
他の商品はいずれ購入するとして、今回は灑だけ買って帰りました。
早速、夜に飲んでみると…
これは、積りたての新雪のように軽い味わい!
続きは後ほど。
<概要>
越乃寒梅 灑は新潟県にある石本酒造が製造している日本酒です。
越乃寒梅と言えば、説明不要、野球で言ったらイチローみたいに有名な、日本酒界の大スター銘柄です。
越乃寒梅には白ラベルと言われる普通酒から金無垢と言われる純米大吟醸まで7種類ありますが、灑はその中で最も新しい商品です。
(なお、値段的には7種類の中で灑は下から3番目のランクです)
販売開始が2016年6月とのことですが、それがなんと越乃寒梅の45年ぶりの新商品でした。
45年ぶりって。。
変化の激しい昭和後半から平成にかけての時代、ずっと同じ商品だけ作り続けた頑固一徹さも驚きですが、45年ぶりということはよっぽど自信がないと出せない商品のはずです。
他の越乃寒梅はよくある茶褐色ですが、灑はおしゃれなブルーボトルです。
硬派なイメージの越乃寒梅ですが、ちょっとイメチェンをはかろうとしているのかもしれません。
さて、肝心の中身のスペックは以下のとおりです。
原材料:米、米麹(五百万石(新潟県)、山田錦(兵庫県))
精米歩合:55%
日本酒度:+2
灑は純米吟醸酒です。
公式サイトでは灑の説明としてこう書かれています。
日本酒をはじめて口にする人にもお楽しみいただけるよう、米の旨味を感じやすい純米酒でありながらも、ライトで飲みやすく、飽きの来ない味わいに仕上げております。
普通、純米酒は米の味わいが濃い、どっしりとした飲みごたえのお酒が多いですし、それが最近のトレンドでもありますが、灑は逆を行ってます。
また、見逃せないのが日本酒度です。
日本酒度だけでは判断できない部分はあるのですが、日本酒度が+2なら多分それほど辛口ではないお酒です。
そういう面からも灑が日本酒初心者に向けて開発された商品であることが伺えます。
ああ、つまりかなり飲みやすいということです。
最後に、灑(さい)ですが、漢字検定1級レベルの難しい漢字で日常生活で使うことはありませんが、「水を撒く」「さらさらしているさま」「さっぱりしているさま」などの意味のある言葉です。
これを名前に持ってきたことから、やはりさっぱりした飲みやすいお酒が想像できます。
<実際に飲んでみました>
説明では燗もいいが冷やして飲むのがおすすめとあります。
まずは、冷やして飲んでみました。
…たしかに、ライト。かなり軽いです。ふわふわです。
しかし、薄味というほど単純じゃなくて、控えめながらも芯のある味わいはさすが越乃寒梅ですね。
香りも控えめ、吟醸酒ですが、あまり吟醸香はしません。いや、ほのかに感じるか。
飲み込んだ後の風味の余韻は短め。でもスッとなくなるわけじゃなく、徐々に消えていく感じです。
次は常温で。
少し味わいがくっきりしてくる感じはありますが、冷やして飲むのとそれほど印象は変わりません。
次はぬる燗程度に温めました。
よくある純米酒だと燗するとかなり濃厚な味わいになるのですが、灑はライトなままですね。香りもあまり変わりません。
温まりたい時は燗でいいんじゃないでしょうか。
全体的な感想ですが、ほぼ公式サイトに書いてあったとおりですね。
飲みやすくて日本酒をはじめて飲む人でも受け入れやすそうなお酒でした。
<越乃寒梅白ラベルと飲み比べてみました>
越乃寒梅白ラベル(普通酒)と飲み比べてみました。
なお、白ラベルのスペックは以下のとおりです。
原料:原料米 五百万石(新潟県)他、醸造アルコール
精米歩合:58%
日本酒度:+6
白ラベルは普通酒ですが、精米歩合は灑と3%しか変わりません。
さて、飲み比べた感じですが、やはりどちらも越乃寒梅だけあって味わいも香りも似ています。
ただ、まず感じるのは灑の柔らかさです。白ラベルもスッキリ飲みやすいお酒ですが、灑に比べると角があって引っかかる感じを受けます。
味わい自体は、灑の方が甘く感じます。米の味は純米酒ではないのに白ラベルの方が強い気がします。
香りに関しては吟醸酒だけあって灑も方が強い…、と思っていたのですが、あまり違いがわかりません。香りはすごく似ています。
飲み比べてみて、白ラベルを丸くして飲みやすくしたのが灑、という印象を受けました。
私は通好みの酒より素人でも分かりやすいようなお酒が好きなので、個人的には灑の方が好きですね。
ただ、値段は灑の方が上ですが、白ラベルには白ラベルのよさもあって、飲みごたえがあるお酒が好き、という人にはこちらのほうが向いているかもしれません。
<食事との相性は?>
ビンチョウマグロを肴に飲んでみました。
淡白なビンチョウマグロの味を邪魔せず、いい感じに引き立ててくれます。
ビンチョウマグロはキハダマグロやメバチマグロに比べると薄味で物足りなく感じますが、灑と交互に飲み食いするとあっという間に食べ尽くしてしまいました。
灑も淡白な味わいですが、もうちょっと味の濃い食べ物でも包み込んでくれそうな気がします。
<価格は?入手難度は?>
希望小売価格は720mlで1,500円、1800mlで3,000円です(税抜き)。
純米吟醸酒としては相場ぐらいの値段だと思います(なお、白ラベルは720mlで930円です)。
ただ、灑はスーパーやそこら辺のリカーショップでは見かけたことがありません。
白ラベルや別撰はちょくちょく見かけますが、灑は一回もないですね。
私は大阪駅周辺にある越乃寒梅正規取扱店で購入しました。
もちろん希望小売価格で購入できました。
もし、正規取扱店以外のお店で売っているとしたら、白ラベルがそうであるようにプレミア価格での販売になると思われます。
ネット通販だとプレミア価格で販売されていることがほとんどですが、それほど上乗せ金額は大きくなくて希望小売価格の1.1倍から2倍弱程度です。
入手難度はやや難とします。
<どんな時に飲むお酒か?>
飲みやすく、また飲み飽きない味なので、毎日でも飲めそうですが、費用の面からそれは難しいですね。
ちょっと良い時に開けて、少しずつ楽しみたいお酒ですね。
万人受けする味なので、みんなで飲むのもいいですね。
また、比較的珍しいお酒で、瓶もオシャレなことから贈り物にも向いていると思います。
新しい商品なので、越乃寒梅なんか何度も飲んだよ、という日本酒愛好家でも灑は飲んだことがないという人が多いと思います。そういう日本酒通の人にもプレゼントしたら喜んでくれるはずです。
<越乃寒梅、純米吟醸酒 灑(さい)の特徴のまとめ>
越乃寒梅、45年ぶりの新製品。
●ふんわり柔らかい越乃寒梅
●ギフトにも良い
●入手難度:やや難
以下は他の方の越乃寒梅灑の体験談です。
越乃寒梅、純米吟醸酒 灑 誕生日でいただいたお酒(40代/男性)
普段から親交のある友人から普段はもらわない誕生日のプレゼントをいただきました。その友人がこのお酒を飲んだ時とても美味しいと思い私にも飲ませたかったのが本心のようでした。そんな彼から頂いたお酒が越乃寒梅、純米吟醸酒、灑でした。
一緒に飲みたかったのですが出張のため足早にいなくなって私は家でゆっくり飲むことにしました。越乃寒梅は有名ところなので飲んだ事がありましたが、このシリーズは初めてです。箱から開けてみると鮮やかなスカイブルーの容器が目を引きました。器に注ぐ時の香りは鮮やかでいわゆるフルーティーな香りでした。一口飲んでみると吟醸酒らしい香りが広がりのどごしも軽い方でした。味が深くないので一定の風味が口の中に広がり鼻を抜けるような酸味を感じる事ができます。
後味も余韻が残るとともに少しずつ引いていき次への一杯につながる感じです。この手のタイプはペース配分しないとすぐに無くなる私の好きなタイプで出来るだけ味わうように飲み味を堪能していきました。一般的なアルコール度数ですが酔いが回るのも早くなく、飲んだうちのほとんどが水分として吸収していき、後になるほどに余韻が残るのでした。
新潟にある酒造メーカーなので米や水が良い所なのでそれほど味の心配はしておりませんでしたがその期待通り体に染みるような美味しいお酒でした。
越乃寒梅のすべてを知っているわけではありませんがこの灑は歴史はあまりなく良く知られていないようですが目を引くパッケージでいつか飲んでみたいと思わせるようなデザインです。それに容器面を裏切らない飲み口はとても満足できる一本です。
金額もやや割高ですが、祝い事や記念日などに送ったりいただいたり飲んだりするにはどこに出しても喜ばれる万能向けなお酒です。より好みしない淡麗で素直なお酒ほど誰にでも喜ばれるものです。普段はビールや焼酎などで晩酌しているのですがゆっくりとした空間で落ちついた時間の中で過ごす時にはやはり日本酒が私には合っています。
吟醸酒は特に慎重に銘柄を選び飲むようにしていますが私には合わない物もあり選ぶ際にも慎重になります。いつか飲んでいたかもしれないお酒ですがより早く友人から頂き知る事が出来て良かったお酒です。
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