一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口を飲んだのでレビューします。
日本酒好きには美味くて安い酒として有名な一ノ蔵の無鑑査ですが、私は今回飲むのは初めてです。
ただ、飲む前から美味いと言われると、こちらも評価のハードルは上がってしまい、結局は「美味いけど、驚くほどではない」という感想になってしまいがちです。
しかし、この無鑑査を実際に飲んでみると、
…
予想を超えてきましたよ。そんな時はテンションも上がります。
続きは後ほど。
<概要>
無鑑査本醸造辛口は宮城県にある一ノ蔵が製造している日本酒です。
一ノ蔵は非常に多くの商品を発売しており、無鑑査シリーズの他、純米酒、大吟醸、ひめぜんやすず音といった低アルコール酒など幅広いラインナップを揃えています。
とはいえ、一ノ蔵と言えば、この無鑑査本醸造辛口が最も有名ではないでしょうか。
1943年から1992年まで続いた日本酒の級別制度。
日本酒は特級、1級、2級に分類され、高い等級のお酒ほど高い税金を課せられました。
一ノ蔵はその級別制度に反発し、制度の真っ只中である1977年に、無鑑査本醸造辛口を発売しました。
級別するための監査に出さないから無鑑査。
その御蔭で、1級酒レベルのお酒を2級酒並の価格で売り出すことが出来ました。
当時は、当然1級酒は2級酒より美味い、という認識があったでしょうし、どの酒蔵もできるだけ作ったお酒は高いランクを貰いたいと監査に臨んだはずです。 しかし、一ノ蔵は敢えてその逆を行き、それが世間の支持を受けました。
今でいうと無印良品みたいな感じでしょうか。世間的評価より実質を重視するような。
無鑑査本醸造辛口は40年前の昭和の時代の登場ですから、スゴイ先見性と言えます。
しかし、この級別制度も問題視され、結局1992年に廃止されるわけですが、一ノ蔵無鑑査本醸造辛口のような監査に敢えて出さずに低い等級で売り出すお酒が増えてことが原因の一つとされています。
さて、無鑑査本醸造辛口のスペックは以下のとおりです。
原材料:米、米麹、醸造アルコール
精米歩合:65%
アルコール分:15度
日本酒度:+4~+6
現在は級別制度は廃止されていますが、その名残は白鶴など大手の酒造メーカーだと特撰(かつての特級)、上撰(かつての一級)、佳撰(かつてのニ級)などの呼び名で残っています。
無鑑査本醸造辛口は上撰どころか特撰に迫るスペックのお酒です(上撰は精米歩合70%程度の商品が多いです)。
では実飲レビューに行きます。
<実際に飲んでみました>
まずは冷温で。
アッサリサッパリの飲みごたえ。本醸造タイプのお酒に多い傾向です。
ただし、意外に吟醸香は強いかも。
飲みやすいけど、ちょっと香りを感じるために立ち止まって(飲み止まって)しまします。
次は常温で。
旨味と酸味が強くなりますが、それでもアッサリしてます。悪くないですが、ちょっと中途半端な気がします。
次はぬる燗程度に温めました。
冷温のときとは全然違うお酒になりました。
旨味と酸味が強く、純米酒に近いような日本酒らしい飲みごたえのあるお酒に変貌しました。
本醸造タイプのお酒にしては香りが良く、温度によって味わいが大きく変わって楽しみがいがあるお酒です。
美味いとわかってましたが、期待を超えるお酒でしたね。
なお、キレはいいですし、それほどクセの強いお酒ではないので食中酒にもいいと思います。
<価格は?入手難度は?>
720mlで829円、1800mlで829円(税抜き)です。
この品質でこの価格ならコスパは良好です。
普通のスーパーでも売っている場合があるので入手難度は易とします。
<どんな時に飲むお酒か?>
毎日晩酌で飲んでもいいですし、安くても安っぽくはないので宅飲み会に用意してもいいでしょう。
食中酒としても使えるはずなので、時と場所を選ばない万能なお酒と言えます。
<無鑑査本醸造辛口の特徴のまとめ>
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以下は他の方の無鑑査本醸造辛口の体験談です。
一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口 地元っ子の定番酒(40代/男性)
地元の米どころ宮城県では、日本酒の製造が盛んで全国的にも有名な蔵元があります。その中でも、地元の人なら誰でも知っているのが、宮城県大崎市松山にある一ノ蔵酒造。
酒蔵の見学もでき、日本酒好きにはたまりません。酒蔵に行かないと、スーパーや飲食店でもまず見かけられないレア的な商品もあったりもします。
余談ですが、アルコール(ビール工場・酒蔵・ウイスキー工場)と温泉目的の観光にも適していると思います。ところが、お酒好きにとっては試飲もしたいところですが、ここの酒蔵は自動車でないとアクセスが不便であるため、お酒を飲まない運転手役が必要になります。
それはさておいて、数あるシリーズの中でも、定番中の定番は「一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口」です。飲食店にも置かれている割合が高く口にした人もきっと多いでしょう。
地元の人がこよなく愛すロングセラー商品のひとつが「無鑑査」です。
筆者も好きな銘柄のひとつでもあり、最近はカプセルホテルキュア国分町の休憩処で飲んだばかりです。
気になる味は、キリっとした辛口が特徴でもありますが、癖か残らないのが大きな特徴です。喉越しも程よいピリッとした感覚で、後味にも余韻が残り気持ち良く飲めるお酒です。
ここの酒蔵は、色々なシリーズの商品が発売されているためとにかく飽きが来ませんね。濃厚な味わいを堪能できる大吟醸シリーズもあり、飲みたいのは山々ですがお値段がそれなりにしますので、中々手が届きません。
ところが、数あるシリーズの中でも「無鑑査」はお値段が比較的リーズナブルで、飲食店では他のシリーズだと150mlで1,000円以上かかることも珍しくありません。ところが、この銘柄は1合あたり600円前後で飲めたりします。なので、普段の外食でも、この銘柄を飲むのが定番となっています。
特に、このお酒と相性がいい食べ物は、やはりお蕎麦ですね。具体的には、更科蕎麦よりも白くて細くなく、かつ田舎蕎麦よりも黒くて太くないそばに合っています。
どこのお蕎麦屋さんにも必ずと言っていいほど置いてあるお酒のひとつでもあり、近くのスーパーでも気軽に買える庶民派感覚的なのも好感が持てます。
コストパフォーマンスにも優れていて、しかも飽きない味わいなのでリピーターが多いのも頷けますね。
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