富乃宝山(とみのほうざん)を飲んだのでレビューします。
富乃宝山は焼酎ブームの火付け役ともよく言われますが、一体いつ頃のことなのか言及している情報は見当たりませんでした。
しかし、有名な焼酎であることは確かで、私もその存在は知っていましたし、いつか飲んでみたいと思っていました。
最近は、缶チューハイや日本酒ばかり飲んでましたが、久々に焼酎が飲みたくなり、ふと富乃宝山のことを思い出したので購入して飲んでみた次第です。
飲んでみると、
…
なるほど、確かに個性的な味わい。評判になるのも分かります。
続きは後ほど。
<概要>
富乃宝山は鹿児島県にある西酒造が製造している芋焼酎です。
西酒造の焼酎造りに対する情熱は強烈で、ラベルには気合度数120%と書いてあります。熱すぎです。
飲み終わった後、ラベルの裏をみると「ありがとう」の文字が。細部にまでスゴイこだわりです。
なお、社長の西陽一郎氏は焼酎界のカリスマとして有名で、紙面やネットでもインタビュー記事が散見されます。
西酒造では富乃宝山の他に薩摩宝山、吉兆宝山など多くの芋焼酎を製造しています。
その中においての富乃宝山の特徴は黄麹を使用していることにあります。
通常、焼酎造りで使われるのは黒麹か白麹なのですが、黄麹は日本酒造りに使用されている麹で、焼酎造りに使用すれば日本酒のような香りが出せるとされています。
黄麹で作られた焼酎では「魔王」などが有名です。
今回は富乃宝山と魔王も飲み比べてみました。
<実際に飲んでみました>
まずはストレートで。
ストレートなので当然キツイのですが、それでも香りも味わいも、そこまで刺激的ではなく飲める範囲内です。
真っ先に感じるのは、グレープフルーツのような柑橘系の香りです。
そこが一番目立ちますが、芋の風味、ほのかな甘味、香ばしさなどもしっかり感じることができます。なので、味わいとしては結構複雑なものがありますが、柑橘系の香りが突出しているわけではなく、それぞれの良さが生かされていると思います。
例えば、茜霧島も独特の香りのあるお酒で、あれはにんじんのような香りが突出していて好き嫌いが分かれるお酒だと思いますが(個人的には大好きですが)、富乃宝山はそこまで尖ったお酒ではなく、万人受けすると思います。
なお、茜霧島のレビュー記事はこちらです。 www.sakeganomitai.com
次はロックで。
ラベルには「氷割りで旨し」と書かれてあるので、ロックにするのが一番なのでしょう。
ロックにすると香ばしさや苦味が引いて、柑橘系の香りが前に出てきます。飲みやすいですし、このお酒の特徴がよく分かる飲み方です。
次は水割り。
さらに飲みやすくなりました。
しかし、ロックでも十分飲みやすいので、水で割る必要はないかも。
最後にお湯割りで。
お湯割りにすると芋焼酎らしいほっこりした味わいになりますが、独特の香りがなくなるわけでもなく、これはこれで美味いです。
個人的にはストレートかロックで飲むのが最も美味しいと思いました。
<魔王との比較>
魔王も黄麹を使用した芋焼酎で、その評価は富乃宝山に劣らず芋焼酎のなかでもトップクラスのお酒です。
魔王も柑橘系の香りがしますが、富乃宝山よりも軽やかです。
富乃宝山がグレープフルーツならば、魔王はもうちょっとアッサリしたみかんの香りです。
また、富乃宝山のほうが芋のどっしりした味わいが強く、魔王はスッキリです。
これは富乃宝山が常圧蒸留で、魔王が減圧蒸留の焼酎であることが大きいと思われます。
全体的に、両方共香りが個性的で記憶に残る美味さですが、富乃宝山の方が芋焼酎の飲みごたえがあります。
一方、魔王は端麗で、良くも悪くも芋焼酎の範囲を逸脱しています。
どちらも評判になるのも当然、甲乙つけがたいお酒です。
ただ、富乃宝山もプレミア価格で販売されることもありますが、それでも定価よりちょっと高いぐらいです。一方、魔王は定価の数倍することもあるので、コスパや入手のしやすさという面では富乃宝山の方が優れていると言えます。
なお、魔王のレビューは以前に書いています。 www.sakeganomitai.com
<食事との相性>
とろカツオの刺し身を肴に飲んでみました。
まあ、悪くないです。
味わいの濃い焼酎なので、どんな料理が相手でも負けることはないでしょう。
一方、料理の味を邪魔するほど強い香りはないので、食中酒としても問題なく使えるでしょう。
ただ、個人的には、このお酒は風味が十分面白いので、それだけで楽しみたいと思います。
<価格は?入手難度は?>
希望小売価格は720mlで1,429円、1800mlで2,819円(税抜き)です。
私は馴染みの酒屋にて希望小売価格で入手しました。
しかし、2,000円程度のプレミア価格で販売しているお店も多いです。
普通のスーパーでも見かけることがあるので、入手は比較的簡単ですが、プレミア価格がついていることもあるので入手難度は普通とします。
<どんな時に飲むお酒か?>
やや値段の高いお酒なので、毎日飲むにはちょっと抵抗があります。
何か良いことがあったときや、お客さんが来た時に飲みたいお酒です。
芋焼酎の中では比較的飲みやすいお酒なので、焼酎初心者の人にもおすすめできます。
また、相手が焼酎好きならギフトに贈っても喜ばれるでしょう。
<富乃宝山の特徴のまとめ>
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