日本で人気の韓国焼酎「JINRO(眞露)」「チャミスル」「鏡月」「チャミスルフレッシュ」をそれぞれ飲み比べたのでレビューします。
その前に、韓国焼酎の特徴と、各商品の概要についてまとめてみたので御覧ください。
<韓国焼酎の3つの特徴>
韓国焼酎の特徴について説明します。 日本の焼酎とは大きく3つの違いがあります。
●ほぼ焼酎甲類かリキュール類 日本では焼酎というと、「いいちこ」「黒霧島」などの焼酎乙類(本格焼酎とも言う)と、「大五郎」「宝焼酎」などの焼酎甲類がありますが、韓国焼酎は乙類焼酎に相当する商品はほとんどありません。 (乙類焼酎は1回しか蒸留していないため原材料の麦や芋などの風味が焼酎に残りますが、焼酎甲類は数回蒸留しているため、原材料の風味が残りにくく、あっさりした味わいになります。) 韓国焼酎は焼酎甲類だけではなく、例えばふんわり鏡月アセロラやチャミスルフレッシュなど、香料や甘味料が入っているためリキュール類に分類されている商品も数多いです。
↑チャミスルフレッシュのラベル裏
●原材料がハッキリしない 日本の焼酎甲類だと原材料は「糖蜜」などはっきりラベルに記載されていますが、韓国焼酎では原材料は記載されていません。 各商品の公式サイトを見てもぼかして書いてあることがほとんどです。
鏡月:麦、米、とうもろこし、糖蜜(さとうきび)等 JINRO:米・麦を中心に穀物をブレンドして原料としています (以上、各公式サイトより)
「等」「中心に」とか、ハッキリしない書き方ですね。 ただ、個人的には焼酎甲類は原材料が何であろうと風味があまり残らないので、原材料が曖昧でもあまり気にはしていません。
●ラムネのような独特の風味がする 実際に韓国焼酎と日本焼酎甲類を飲み比べるとよくわかりますが、韓国焼酎にはラムネのような独特の風味があります。 これは添加されている酸味料のせいだと思われます。 ただ、レモン果汁などを入れてカクテルにするとこの風味はほとんど感じなくなります。
↑JINRO
↑チャミスル
↑鏡月
以上、韓国焼酎の簡単な説明でした。
そんな韓国焼酎ですが、各商品を飲み比べると違いはちゃんと分かりました。 日本の焼酎甲類も飲み比べたことがありますが(大五郎、宝焼酎、キンミヤ焼酎)、違いはほとんど感じませんでした。そういう意味では違いが感じられる韓国焼酎はどの商品も個性的だと言えます。
その中でも個人的にはあっさりしたチャミスルが一番好みでしたが、好みは人によって分かれると思います。 詳しくは後ほど。
<各商品の概要>
JINROは眞露という会社が製造しています。 JINROは商品名でもあり会社名でもあります。
チャミスルも眞露が製造しています。 眞露という漢字を韓国語で読むとチャミスルになります。
じゃあ、JINRO=チャミスル、なのかというと、実は別商品です。 ややっこしい…。
別商品ではありますが、眞露の公式サイトを見ても、イマイチ違いがよく分かりません。 もしかして、瓶が違うだけで、中身は同じじゃないのか? 色々ネットで調べてもはっきりとした情報は出てきませんでした。
ということで、直接眞露社に電話してJINROとチャミスルの違いについて聞いてみました(丁寧に説明してくださったお客様相談室の方、ありがとうございました)。 すると多くの違いがあることが分かりました。
●チャミスルには米焼酎がブレンドしてある。 ●アルコール度数が22%という半端な数字になっているのは25度にするとアルコールの風味が強くて米焼酎などの風味が押されてしまうので調節したから。 ●チャミスルは竹炭濾過している。竹炭濾過は非常に効率がよい。 ●チャミスルブランドで販売している商品は、すべて竹炭濾過することが社内で決まっている。 ●JINROは竹炭濾過をしておらず通常のフィルターで濾過してある。 ●韓国で販売されている眞露(チャミスル)と日本で販売されているJINROは味が違う。韓国の眞露(チャミスル)の方が甘い。 ●JINROもチャミスルも日本向け商品。 ●韓国で販売されている眞露(チャミスル)は日本で販売されているチャミスルフレッシュと味が同じ。
本場の眞露(チャミスル)(日本のチャミスルフレッシュ)は甘口なので韓国料理の辛味を中和する意味で合うと言われています。 しかし、日本料理は全体的に薄味なので、日本市場ではチャミスルフレッシュよりは甘みを抑えた、スッキリしたJINROとチャミスルを開発して販売しているそうです。
知識はこれぐらいにして、あとはJINROとチャミスルと、あとチャミスルフレッシュを飲み比べたいと思います。
…
おっと、鏡月も韓国焼酎を語る上で忘れてはいけません。 鏡月は日本における韓国焼酎シェアNo.1、焼酎甲類の中でも宝焼酎に次ぐ2位となっています。
鏡月はロッテ酒類が製造し、日本ではサントリーが販売元となっています。 最近まで鏡月はサントリーが製造している日本製の焼酎だと思っていましたが勘違いで、鏡月のラベルにはPRODUCT OF KORIAとハッキリ書いています。
鏡月に関しては、鏡月単体でレビューしているのでそちらも御覧ください。 www.sakeganomitai.com ここで、JINRO、チャミスル、鏡月、チャミスルフレッシュの概要を表にまとめてみます。
JINRO | チャミスル | 鏡月 | チャミスルフレッシュ | |
---|---|---|---|---|
メーカー | 眞露 | 眞露 | ロッテ酒類 | 眞露 |
アルコール度数 | 25% | 22% | 25% | 18% |
添加物 | 酸味料 | 酸味料 | 酸味料 | 酸味料・甘味料・調味料 |
特徴 | 1979年日本で販売開始の古参商品 | 3回竹炭濾過しているため不純物が少なくスッキリした味わいになっている | 韓国焼酎の日本シェアNo.1商品 | 甘い。韓国の眞露(チャミスル)と同じ味 |
<JINROとチャミスルとチャミスルフレッシュと鏡月を実際に飲んでみました>
まずは全てストレートで飲みました。 JINROとチャミスルですが、JINROの方が香りが強いです。 個人的にはチャミスルのほうがスッキリして飲みやすいので好みかな。
鏡月はJINROとチャミスルに比べると風味と甘味が強いです。 個人的には鏡月よりJINRO、チャミスルの方が好みです。
チャミスルフレッシュは甘味料が入っているのでとにかく甘いです。 他の3つに比べアルコール度数が低いので飲みやすいことは飲みやすいです。 甘さの順番は チャミスルフレッシュ>>鏡月>JINRO>チャミスル ですね。
今回は韓国焼酎を飲むということで、韓国産キムチと食べ合わせてみました。
キムチを一口食べた後、酒を含みます。
JINROとチャミスルはキムチの辛さ、酸っぱさ、ニンニク風味を断ち切れません。
鏡月だとなんとかキムチに対抗できてます。
チャミスルフレッシュですが、この甘味はキムチの辛さと酸っぱさを和らげます。 韓国料理には鏡月とチャミスルフレッシュが合うと思います。 JINROとチャミスルは繊細ば日本料理にのほうが合うでしょう。
次にレモン果汁(ポッカレモン)で割ってみました。
JINROとチャミスルはあまり違いが分かりませんが、美味いです。 鏡月も似たような味ですが、若干鏡月の風味が残っています。 チャミスルフレッシュだと甘いレモン味になっています。
個人的にはレモン果汁で割るならJINROかチャミスルがおすすめですが、甘口が好きならチャミスルフレッシュもいいかもしれません。
<試飲のまとめ>
個人的な好みですが、そのまま飲むならチャミスルが一番好みです。 カクテルベースで使うのもチャミスルが一番クセがないのでぴったりです。
韓国料理と合わせるなら鏡月でしょうか。
私は甘い酒が好きではないので、チャミスルフレッシュはちょっと苦手です。 でも、辛い料理には合うと思います。
JINROは、まあ平均的ですね。悪くないですが、他の3つに比べると選ぶポイントがあまりないような気がします。
<価格は?入手難度は?>
各商品のメーカー小売希望価格を公式サイトで調べてみました。全て税抜き価格です。
JINRO700ml(25%):873円 チャミスル700ml(22%):818円 鏡月700ml(25%):875円 チャミスルフレッシュ360ml(17.8%):310円
竹炭濾過など製造に手間がかかってそうなチャミスルが意外に安いです。 鏡月が高いのは瓶がオシャレだからでしょうか。
なお、JINROの1.8Lが1,420円なのに対し、日本の焼酎甲類の雄「大五郎」は1,360円なのでわずかにJINROが高いですね。
入手に関してはどれも普通にスーパーで売っているので簡単です。 特に鏡月はどこでも売っている印象があります。
<まとめ>
日本の焼酎と比べ癖の強いところもある韓国焼酎ですが、その韓国焼酎の間でも違いがあって、今回の飲み比べは楽しかったです。 なお、日本で一般に販売されている韓国焼酎は、他にイオンで売ってるトップバリュの「Soju」があります。 これは大容量商品しかないみたいなので、今回は試飲していませんが、また機会があれば入手してレビューを書いてみたいです。
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