おすすめ日本酒・焼酎を一人語りするブログ

酒好きアラフォーのおっさんが肝臓を犠牲にして書いてるリアルなレビューサイトです。

魔王の感想と評価

f:id:sakeganomitai:20171230175303j:plain

魔王を飲んだのでレビューします。
ついに魔王デビューです。
年末ということで奮発して購入しました!
おちょこに注いだら緊張のあまりテーブルに少しこぼしてしまいましたが、もったいないのでテーブルを舐めました。それでも美味い!
詳しくは後ほど。

<概説>

f:id:sakeganomitai:20171230175543g:plain

↑魔王の名前の由来

魔王は鹿児島県にある白玉醸造で製造されている芋焼酎です。
焼酎好きなら知らない人がいないぐらい有名なプレミア焼酎です。
プレミア焼酎には他に幾つかありますが、この「魔王」に加え、「森伊蔵」と「村尾」をあわせた通称「3M」がプレミア焼酎の最高峰です。

魔王という恐ろしげな名前から、強烈な味を連想しますが、実際はフルーティーで飲みやすい焼酎として、焼酎通のみならず、焼酎初心者からも評価の高い焼酎です。

なお、魔王という名前の由来はラベルに書いてあります。


なお、魔王の人気が沸騰してプレミア焼酎となったのは、有名ソムリエの田崎真也氏のお気に入りの焼酎であるとTVなどで紹介されたことが発端のようです。
現在でも定価販売されている事はほとんどなく、一時のブームで終わらなかったのは、やはり実が伴っていたからでしょう。

さて、魔王の焼酎としての特徴は3つあります。
●黄麹使用
芋焼酎では白麹か黒麹をしようしている焼酎がほとんどで、黄麹を使用した焼酎は少数派です。
黄麹は日本酒の醸造に多く使われる麹で、焼酎に使うと日本酒のような香りのよいお酒ができると言われています。
ただ、個人的には黄麹の焼酎の香りに違和感を感じるのであまり好きではありません。

●減圧蒸留
焼酎の蒸留には常圧蒸留と減圧蒸留があって、常圧蒸留は風味濃厚、減圧蒸留はあっさり飲みやすい焼酎になると言われています。
芋焼酎の場合はほとんどが常圧蒸留で製造されていますが、魔王は減圧蒸留で製造されています。

●熟成酒
魔王は製造してすぐ出荷するのではなく、熟成させて出荷しています。
熟成させることにより、味のカドがとれてまろやかになると言われています。
麦焼酎や米焼酎で熟成酒は多いですが、芋焼酎で熟成酒はあまり多くありません。

どれも芋焼酎としては比較的珍しい特徴であり、その3つを兼ね備えた魔王はかなり珍しいお酒と言えます。

<実際に飲んでみました>

f:id:sakeganomitai:20171230175351j:plain

f:id:sakeganomitai:20171230175411j:plain

↑おすすめの飲み方

これほど期待して飲む焼酎は初めてです。
期待が高い分イマイチだと失望も大きくなりますし、あまり期待しちゃいけないのかとも思ったり、内心揺れ動きながら、まずは室温ストレートで一杯。

始めにほんのり甘い。
次にフルーティー。みかんっぽい香り。
しかし、香りは控えめ。飲み干すと甘みも香りもスッと消える。余韻は殆ど無い。

どれも一瞬の出来事なので、すぐに忘れそうになります。
もう一口飲んでみます。
ストレートながら非常に飲みやすい。熟成酒だけあってまろやか。
減圧蒸留なので香り控えめでスッキリ。
フルーティーなのは黄麹使用のせいか。
しかし、これまで飲んだ黄麹芋焼酎のどれよりもフルーティー。
これは格が違う。

うーん、これは何杯でも飲んでしまいそうです。
しかし、プレミア焼酎なのでそう簡単に空けてしまうわけにも行きません。

次はストレート同じくおすすめの飲み方である「氷を浮かべて」飲んでみました。
香りが若干引き立ち、余韻も長くなる感じがします。
確かにおすすめの飲み方です。

次は人肌燗で。
ちょっと苦味がでて、芋焼酎っぽい風味も現れました。
まずくはないですが、ちょっともったいない飲み方かな、と思いました。

おすすめはラベルの通り常温そのままと氷を浮かべて、です。

かなり期待して飲んだ魔王ですが、十分にその期待に答えてくれました。
品格漂う、評判通りの逸品です。

ただ、格調高すぎて(値段も高すぎて)気軽に飲めないのが残念ですね。
残りは何か良いことがあったときや、親しい友人が訪ねてきたときなどのために取っておこうと思います。

<価格は?入手難度は?>

f:id:sakeganomitai:20171231083756j:plain

魔王は定価が720mlで1,383円、1800mlで2,862円(税込み)です。

芋焼酎の定番・黒霧島の2倍ぐらいの価格で、魔王は元々高級焼酎と言えます。

とはいえ、定価で入手することが難しいプレミア焼酎であり、実際は1.8Lで1万円以上、720mlで5千円以上で販売されていることが多い商品です。

魔王の720mlは意外に大型スーパーなどで販売されているのをよく見かけます。
当然定価の数倍の価格で、客寄せ目的かなと思います。
私の近所の大型スーパーでは7千円程度の価格で販売されていました。

私はネット通販で4千円台で入手しましたが、まだネットのほうが安いようです。
さすがに3千円台で販売されているのは見たことがありません。

プレミア価格でよければ、魔王はそれほど入手が難しい焼酎ではありません。
他の3Mの森伊蔵や村尾よりは簡単だと思います。

<定価購入するには?>

白玉醸造の関連会社の玉利商店というところに申し込めば定価購入できます。
まず玉利商店に電話して、申込書を取り寄せます(電話番号はここには載せません)。
申込書を返送すれば予約完了ですが、手元に届くまで1,2年かかるそうです。

また、魔王取扱店では抽選会で定価購入できることもあります。

個人的には長期間待つのも、運任せなのも好きではないので、多少割高だと分かっていてもネット通販で購入しました。

<魔王の特徴のまとめ>

●最高レベルの人気を誇るプレミア焼酎

●香りはフルーティー、飲みやすい

●入手難度:普通(定価購入なら超難)

以下は他の人の魔王体験談です。

魔王 暗躍が実を結び……?(30代/男性)

僕は生まれつき麦に対してアレルギーがあり、ビールを飲むことが出来ない。
日本人といえばやっぱり「とりあえずビール」の文化があり、そういう国でもある。
それでも、やっぱり大人になって、お酒というものを楽しみたいと考え、色々な酒を飲んでみた。
我が国を代表する日本酒は勿論、焼酎も麦や蕎麦以外(実は蕎麦にもアレルギーがある)を色々と試してみた。

父が日本酒を好んでいたことも影響してか、そちらを優先して飲むことが多く、
焼酎を飲んでいても、これぞといったものはなかなか見つからなかった。
結局、ちょっと香りが強いなど、独特のクセが目立つのだ。
特に芋焼酎は香りが強すぎて、最初は好きになれなかった。

……だが、そんな僕の固定概念をあっさりと破壊してくれた銘柄がある。
「白玉酒造」という蔵元の「魔王」という芋焼酎だ。
今では芋焼酎の中でも「プレミア」などと呼ばれているので、ご存知の方も多いかもしれない。

たまたま、僕が当時暮らしていたアパートの近所にあった、
酒に力を入れているというスーパーマーケットでこの「魔王」と遭遇した。

何せ、名前のインパクトが凄い。

芋焼酎の製造過程を知っている方はわかるかもしれないけれど、
仕込みの過程で発酵し、ぼこぼこと泡を立てているあの様子を考えれば、
確かに「魔」という文字に重なる部分を感じてしまう。

価格は思った以上だったものの、思い切って購入した。
正直に言えば、「この間、とんでもない名前の芋焼酎を飲んでさ」と、
話の種にでもなればいいと思ってのことだ。

飲んだ後、そんな自分を随分恥じた。
今まで飲んだものとは違う、「魔王」の名にそぐわぬ別格の芋焼酎だった。

芋焼酎の魅力は、やはり香りなのだと思う。
原材料であるサツマイモ由来の、甘い香り。
今まで飲んだものは、それが余りにも強すぎたように感じる。

この「魔王」も、もちろんサツマイモの甘い香りがしっかりとする。
しかし、鼻につくような強すぎる……好ましい言い方ではないが、「臭み」ではなく、
ふんわりと鼻を抜けていくような、心地よい「香り」なのだ。
しかも、飾り立てたり、主張しすぎたりすることのない、味を楽しめる「香り」。

また、この「魔王」は驚くほどに飲みやすい。
「端麗」という言葉がしっくりくるような、臭みのない、実にすっきりとした口当たり。
アルコール度数はかなり高いのに、どんどん飲めてしまう。
その時、ロックで飲み始めたにも関わらずだ。
もちろん、酔いはするのだけれど。

確かにこれは「魔王」という名がふさわしい気がする。
本当に、誘惑されてどんどん飲まされてしまうような、不思議な魅力がある。

この「魔王」のおかげで、芋焼酎という酒の楽しみ方が解った気がした。
今でも、僕の中での芋焼酎の味と香りの基準は、この「魔王」が元になっている。

それだけおすすめしたい「魔王」なのだが、ひとつ残念なことがある。
今では人気の芋焼酎として有名になりすぎて、入手が難しくなってしまったのだ。

とはいえ、大量生産された魔王なんて、ゲームや宗教の世界でも、きっと味気ない。
そのくらいが丁度いいのかもしれない。

あの時の「魔王」のように、密かに暗躍している酒が無いものか。
今でも時々、偶然の出会いを探して回っている。
また誘惑されるのも、悪くない。

スポンサードリンク

?