おすすめ日本酒・焼酎を一人語りするブログ

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上撰剣菱の評判 味は?飲み方は?

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上撰剣菱を飲んだのでレビューします。 超有名な日本酒ですが、これまで飲んだことがなかったので、今回購入して飲んでみました。

これは、個性的!
メジャー商品=万人受けを狙って個性がなくなる
というわけじゃ全然ないです。

続きは後ほど。

<概要>

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剣菱は兵庫県にある剣菱酒造が製造している日本酒です。

剣菱酒造では「上撰剣菱」「黒松剣菱」「極上黒松剣菱」「瑞穂黒松剣菱」「瑞祥黒松剣菱」を製造しています。 今回紹介するのは最も値段の安い「上撰剣菱」です。

剣菱は精米歩合は非公開です。

「理由は、毎年異なる条件下で育ったお米のできに合わせて精米歩合を変えているから。」

だそうです(公式サイトより)。

更に、本醸造、吟醸などの特定名称もありません。 上撰剣菱はおろか、極上黒松剣菱も普通酒の扱いとなります。

酒造りのポリシーは、“肩書き”よりも“味”

精米歩合や特定名称が分からないと、事前に味が予想しにくいのですが、まあそんなことは酒の美味い不味いには関係ないですよね。 情報じゃなくて酒自体を味わえ、ということでしょうか。

剣菱酒造は500年以上の歴史を持ちます。 創業はなんと室町時代後期。 江戸時代は酒と書いて「けんびし」と読むぐらい、代表的な日本酒として認知されていたそうです。 あの忠臣蔵の赤穂浪士も討ち入りの前に剣菱を飲んだのだとか。

ちょっと気が遠くなるぐらいの歴史と伝統ですね。

剣菱の酒造りにおけるこだわりはただひとつ、剣菱の味を変えないこと。

とのこと。

味を変えないために、4つの蔵で製造した剣菱を、いつもの剣菱の味になるようにブレンドしています。変えないことへのこだわりが凄いですね。 ただ、人々の好みの変化に応えて味を変えていくことも大切だと思いますし、剣菱はちょっと頑なすぎるように思います。

しかし、剣菱は戦前のコメ不足のときも、戦後の三増酒が流行したときも、ずっと剣菱の味を守ってきた歴史があります。 当然経営上のリスクもあったはずですが、酒造りに対する強烈な自負があったからこそ貫けた信念だと思います。

とは言え、剣菱が時代遅れで、人々から飽きられたお酒かというとむしろ逆です。 今も昔も、剣菱は非常にファンの多いお酒で、酒は剣菱しか飲まないという人もいます。

そこまで支持されているからこそ、精米歩合や特定名称を書かなかったするこだわりが通るのだろうと思います。

上撰剣菱のスペックは以下のとおりです

精米歩合:非公開
原料:米、米麹、醸造アルコール
アルコール度数:16.5%

公式な情報ではありませんが、本醸造クラスのお酒のようです。 原料米は山田錦などの酒造好適米だそうです。

だとすると、上撰剣菱は上撰白鶴、上撰月桂冠あたりのお酒よりランクが高いお酒と言えるでしょう。 おっと、今回は情報を一旦頭から除いて、酒の味を純粋に楽しみたいと思います。

<実際に飲んでみました>

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まずは冷やして飲んでみました。 甘味、酸味、辛味、香ばしさ、ドライフルーツのような香りなど様々な味や香りが押し寄せます。 一言で言えば芳醇。こんな濃いお酒は珍しい。 しかし、バランスは悪くないです。何か一つの味や香りが突出しているわけではないです。 余韻は短め、キレの良いお酒です。

うーん、これは独特。上撰白鶴や上撰月桂冠あたりの個性は無いけどクセもない万人受けするお酒ではないです。 どちらかと言えば、日本酒を飲みなれた人向けのお酒かもしれません。 初心者だと濃すぎると感じるかも。 (なお、お酒はちょっと黄色いですが、個人的に色はどうでもいいです。)

次は常温で。 まろやかで優しい味わいになりました。 こちらのほうが飲みやすいです。

次はぬる燗で。 ほんわかして飲みやすいです。 一番おすすめの飲み方です。

しっかし、このお酒はスーパーはおろか、コンビニでも売ってるお酒ですが、本当にこれは売れてるのでしょうか? これはハマる人はとことんハマるでしょうが、みんながみんな気軽に飲めるほど気安いお酒じゃないと感じるのですが。

個人的には好きですが、濃いのでずっと飲んでるとちょっと疲れます。。 剣菱だけを飲む時は間に水を飲んで休憩をします。

<食事との相性は?>

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カレイの煮付けを作ったので、肴にして飲んでみました。 剣菱は味わいのしっかりしたお酒ですが、キレは良いですし、食事の味を邪魔するということはありません。 食事を引き立たせる、とまではいいませんが、組み合わせは悪くないです。 剣菱ならもっと味の濃い料理にも負けないと思います。 一方、味の薄い料理だと、ちょっと酒の風味が勝ちすぎるかもしれません。

<価格は?入手難度は?>

価格は公式サイトに書いてないので、ネットで調べた大体の相場をまとめます。 900mlで約950円1800mlで約2千円です。

この品質でこの値段ならかなり安いと思います。 コンビニでも売っている商品ですし、飲んだことがなければ是非一度は飲んでみて下さい。

入手難度はもちろん易です。

<どんな時に飲むお酒か?>

値段的には普段飲み用のお酒ですが、全く安っぽさを感じない格調高いお酒です。 かしこまった場面でも映えるはずです。 ただ、剣菱ブランドでは一番下の商品なので、ギフトにするなら剣菱の上位商品の方がいいでしょう。

<上撰剣菱の特徴のまとめ>

●伝統の味を頑なに守り続ける
●芳醇。濃い。しかしバランスはいい。
●コスパ良好
●入手難度:易


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以下は他の方の剣菱体験談です。

剣菱 色付きの酒の総合的な「美味さ」(30代/男性)

僕の父は昔から酒が好きで、毎日は晩酌を欠かさない。 しかも、味にはとことんこだわるので、いい酒を吟味し、 これぞと気に入ったものだけを続けて飲む。

そんな父が、僕が子供の頃から愛飲し続けている日本酒がある。 「剣菱」という酒で、蔵元は神戸にある「剣菱酒造株式会社」。 「黒松剣菱」など、よりこだわった日本酒も製造しているものの、 ひたすらこの「剣菱」という銘柄のみで勝負し続けている会社だ。

僕自身が麦にアレルギーがあることもあってビールが飲めず、 二十歳を過ぎてからはもっぱら日本酒か芋焼酎を飲むようになった。 当然ながら、父にも薦められて、この「剣菱」を飲んだ。

幾らかの銘柄を飲み、どれも美味いと思いながら、 それでも結局、今でもこの「剣菱」に戻ってきてしまう。 やっぱり、美味いものは美味いのだ。

僕がこの「剣菱」の魅力を一言で述べるなら、 「完璧なバランスの取れた味」と、表現する。

それは、甘味や辛味、旨みや香りを全て含んだ上での「味」だ。 この総合的な美味さこそが、「剣菱」を好む一番の理由だと思う。

味わいとしては、他と比較して辛口に分類されるのではないだろうか。 より正確に言えば、「甘口と辛口の境界線あたり」と表現するのが正しいと思うけれど、 その中でもやや辛口寄りという、非常に繊細で絶妙な味なのだ。

どうやらインターネット上の声を聞くと、この「剣菱」の味を、 辛口と甘口、どちらに分類すべきかと判断に悩んでいる人も、少なくないようだ。 おそらくその迷いには、この甘い香りも影響しているのではないだろうか。

「味」は様々な要素が絡み合って構成されるものだ。 辛くて、甘い。それは多分、矛盾しない。

口の中に入れると、きりりと引き締まった辛味と、 それとは対照的な、甘く芳醇な香りが鼻へとじんわり抜けていく。 飲んだ後に、さっぱりとした後味とともに、うっとりとするような甘い芳香が残る。 それがまた、良い酔い方をさせてくれる。

ところで、この「剣菱」を飲む際、薄い色彩のお猪口などにを注ぐと、 一瞬「おや?」と、多くの人は感じると思う。 実はこの酒の色だが、純粋な透明ではなく、少し黄色みがかっている。

これは、他の酒のように透明にしようと作業する過程で、 日本酒としての本来の旨みを飛ばしてしまわないよう、 あえてこの「色付き」のままで販売しているそうなのだ。

確かに、純粋な透明は美しい。 けれど、その見た目の美しさよりも、飲み手が口にした時にどう感じるか、 それこそを大切にして、あえて余計な処理はしない。 この点にからも、蔵元の「味」へのこだわりをうかがい知ることができる。

ともあれ、酒の分類が、味が、製造過程がどうと言ったところで、 食べ物や飲み物というのは結局、芸術作品と同じで、その人の好みで判断は分かれる。 飲んで美味いと感じるかどうか、それが全てだ。 そして、僕はこの酒を美味いと思い、誰かに薦めたいと思う。

あぁ、良い酒だなぁ。 そんな風に味わって日本酒を飲みたい人に。 「剣菱」を是非、飲んでもらいたい。

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