一刻者を飲んだのでレビューします。
とても濃い芋焼酎でした。 反面、意外にスッキリしているので芋が苦手な人も水割りならいけると思います。 詳しくは後ほど。
＜概要＞
一刻者(いっこもん)は鹿児島県の小牧醸造が製造して、宝酒造が販売している芋焼酎です。 大手企業が販売元となっているせいか、スーパー、コンビニ、居酒屋など、結構この焼酎を見る機会は多いです。
一刻者は麹に芋を使用した、全量芋焼酎です。 芋麹を作るのは高度な技術が必要でコストもかかります。 なのでほとんどの芋焼酎では、米麹を使用しています。
他に芋麹を使用した芋焼酎は霧島酒造の吉助などがありますが、数少ないです。
なお、一刻者とは頑固者という意味だそうです。 軽佻浮薄な時代に迎合しない、無骨な焼酎なのでしょうか？ 期待は膨らみます。
＜実際に飲んでみました＞
まずはストレートで。 濃い！ さすが芋100%、芋焼酎らしさがギュッと詰まってます。 どっしりとした味、香ばしさ、芳醇な芋の香り。 それでいて風味の余韻はそれほど長くなくて、後味は意外にスッキリしています。 しかし、それでもちょっと濃すぎます。 ストレートは上級者向けの飲み方だと思います。
次はロックで。 幾分飲みやすくなりました。頑固者も少し素直になってくれたみたいです。 氷を入れてしばらくして、少し溶けたぐらいが飲み頃です。 芋の香りが引き立ちますし、苦味が隠れたせいか、ほのかな甘味を感じます。 おすすめ。
次は水割り。 これは完全に好みの問題ですが、あまり水で薄めてしまうと、特徴が見えない普通の芋焼酎になります。 ロックでも飲みづらいという人にはおすすめですが。 飲みやすいので初心者向けの飲み方でしょう。
最後はお湯割り。 香ばしさが引き立ちます。 悪くはないですが、個人的には冷やした方の風味が好きです。
色々試しましたが、ロックが最もおすすめの飲み方です。
全体的には時代遅れの頑固者と言うよりは、比較的洗練されている、一般受けも意識した焼酎じゃないかと思います。 イメージ的には無骨な野武士ではなく、品のある殿様のような味わいだと感じました。
＜刺し身を肴に飲んでみました＞
一刻者は風味の濃い芋焼酎ですが、後味はスッキリしているので、料理の味を邪魔することはないと思います。 鮪の刺身を肴に飲んでみましたが、悪くないですね。 マグロの繊細な味を邪魔せず、いい具合の口内をリフレッシュさせてくれます。
居酒屋なんかで色々ツマミを注文しても、一刻者ならほとんど合うと思います。
＜さつま白波と飲み比べてみました＞
薩摩焼酎の王者、さつま白波と飲み比べてみました(ストレートとロックで)。 さつま白波は米麹の普通の芋焼酎ですが、芋の香りはさつま白波の方がキツく、余韻も長いです。 ただ、さつま白波は香りは強いですが、味は重くなくてスッキリ飲めます。
一刻者はこれに比べるとどっしりした重厚な味と言えます。 香りもさつま白波に比べると少し香ばしさが強いです。
それぞれ特徴が違うので甲乙つけがたいですが、一般受けするのは一刻者のほうかもしれません。
＜価格は？入手難度は？＞
メーカー小売希望価格は1.8Lで2,803円です。 さつま白波や黒霧島は1,600円程度ですし、一刻者は焼酎の中では価格は高い部類に入ります。 全量芋焼酎なのでコストがかかってしまうのは仕方ありませんが、日常的に飲むにはちょっと財布が痛いかもしれません。
なお、私が購入したのは300mlの商品で、イオンで税込み720円で購入しました。 ちょっと一刻者を試してみたい人にはおすすめです。
一刻者はスーパーやコンビニでもよく見かける商品なので入手は簡単です。
＜どんな時に飲むお酒か？＞
値段も高いですし、ちょっと普段飲みに使うのは気が引けます。 かといってギフト向けというにはありふれた商品ですし。 普段、霧島やさつま白波を飲んでいる芋焼酎愛好家がちょっといい時に飲むようなお酒でしょうか。 水割りなら飲みやすいので初心者向けとも言えますが、それなら霧島のほうがもっと飲みやすいし、やはり中級者以上の焼酎かなと思います。
＜一刻者の特徴のまとめ＞
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